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歯周病の治療は、長いあいだ「歯石を取る」「歯ぐきを切って奥の汚れを取る」といった方法が中心でした。もちろん、これらの治療は今も大切で、多くの方の歯を守ってきました。
そんな中で登場したのが「ブルーラジカル」という新しい治療法です。ブルーラジカルは、特殊な青い光(レーザー)と少量の過酸化水素を組み合わせ、フリーラジカルを発生させることで歯周ポケット底部の殺菌を行う仕組みです。
この「フリーラジカル」は、目に見えないほど小さな分子ですが、とても反応性が高いのが特徴です。
ブルーラジカルは、歯周炎のステージⅢ・Ⅳに該当する方の治療において、歯石等の沈着物の除去と歯周ポケット底部の殺菌を目的として使用される機器で、治療の選択肢の一つです。
ブルーラジカルの特徴を、従来の治療法との違いからご説明します。
歯周病治療の基本は「スケーリング」と呼ばれる歯石除去です。専用の器具で歯ぐきの周りや奥についている歯石を取り、歯の表面をきれいに仕上げます。この処置はとても大切ですが、器具が届かない深い歯周ポケットや複雑な形の場所までは完璧に掃除することが難しい場合があります。
ブルーラジカルは、過酸化水素を歯周ポケットに入れ、青い光を当ててフリーラジカルを発生させます。超音波スケーラーによる歯石等の沈着物の除去とあわせて、歯周ポケット底部の殺菌を行うことを目的としている点が違いです。
重度の歯周病では、「フラップ手術」と呼ばれる外科的な方法が必要になることがあります。歯ぐきを切り開き、歯の根や骨の周りを直接見て掃除する方法です。確実に汚れを取れるメリットはありますが、患者様にとっては「切るのが怖い」「痛そう」と感じられることも多く、回復に時間もかかります。
その点、ブルーラジカルは歯ぐきを切開せずに行う処置です。
従来は抗菌薬や抗生物質を併用することもありました。ブルーラジカルは、歯周ポケットに入れた少量の過酸化水素に青色光を当ててフリーラジカルを発生させ、歯周ポケット底部の殺菌を行う点が違いです。
歯ぐきを切らずに行える
ブルーラジカルの大きな特徴は、歯ぐきを切らずに行える点です。従来の手術では「切開して縫合する」という工程が必要なこともありましたが、ブルーラジカルではその必要がありません。
殺菌効果が期待できる
ブルーラジカルでは、青色レーザー光と過酸化水素の反応によってヒドロキシラジカル(活性酸素の一種)が発生します。このヒドロキシラジカルを利用して、歯周ポケット底部の殺菌を行います。
治療当日から普段の生活へ
手術を伴う歯周病治療では、腫れや痛みが数日続いたり、硬いものが食べにくくなったりすることがありました。ブルーラジカルは歯ぐきを切らずに行う処置です。治療を受けたその日から普段通りの生活を送れる方も多く、翌日から仕事や学校に問題なく行けるケースもあります。
治療後もメンテナンスで経過を確認
歯周病の厄介な点は「再発しやすいこと」です。汚れを取っても、しばらくするとまた炎症が出てしまうことも珍しくありません。そのため、ブルーラジカルの治療後も、定期的なメンテナンスで歯周ポケットの深さや歯ぐきの状態を確認していきます。
当院では、歯周炎のステージⅢ・Ⅳに該当する患者様のうち、基本治療だけでは改善が十分でない方や、外科的な処置に抵抗がある方に対し、ブルーラジカル治療を取り入れています。
ブルーラジカル治療とは、過酸化水素と可視光レーザーを組み合わせて使用する超音波スケーラーで、歯石等の沈着物の除去及び歯周ポケット底部の殺菌を行う治療方法です。
また、切開などの外科的手技を伴わずに治療が可能な場合もあるため、治療選択肢の一つとしてご提案しています。
さらに、当院ではこれまでにレーザー治療を多数行ってきた実績があり、ブルーラジカル治療においても、適切な症例選定と治療設計が可能です。
ブルーラジカルは単体での完結的な治療ではなく、日常のセルフケアや他の治療と組み合わせて行うものです。当院では、治療前後のケアも含めた総合的なご提案を行っております。
ここでは、ブルーラジカル治療の一連の流れを、初めての方にも分かりやすいように紹介します。
最初に行うのは「歯周病の状態をしっかり調べること」です。歯周ポケットの深さを測ったり、レントゲンを撮ったりして、歯や骨がどのくらいダメージを受けているかを確認します。この段階でブルーラジカルが適しているかどうかを判断します。歯周炎のステージⅢ・Ⅳ(重度)と診断された方が対象ですが、重度の場合は外科的処置が必要になることもあるため、診断はとても大切です。
いきなりブルーラジカルを使うのではなく、まずは基本的なケアから始めます。歯石を取ったり、クリーニングを行ったりして、口の中を清潔に整えてから治療に入ります。これは畑を耕してから種をまくのと同じように、治療の前にお口の環境を整えるための準備です。
歯周ポケットの深い部位や炎症のある箇所を処置するため、痛みを感じないようしっかりと局所麻酔を行います。麻酔が効いた状態で次の処置に進みます。
次に、過酸化水素を歯周ポケットの奥に入れていきます。量はごく少量です。目には見えませんが、この薬剤があとで大きな役割を果たします。
ここがブルーラジカル治療の「ハイライト」といえるステップです。特殊な青い光を患部に当てると、過酸化水素が活性化されて「フリーラジカル」が発生します。このフリーラジカルを利用して、歯周ポケット底部の殺菌を行います。
処置後は、歯周ポケットの中を洗い流し、炎症や出血が改善しているかを確認します。照射は基本1回で、その後は経過を確認しながら進めていきます。
処置自体は30分ほどで完了することが多く、外科手術のような切開は伴いません。
| 薬剤併用超音波歯周用スケーラ(高度管理医療機器)承認番号 | 30500BZX00165000 |
|---|---|
| 承認の内容(2023年7月承認) | 歯周炎のステージがステージⅢ又はステージⅣに該当する患者の治療において、歯石等の沈着物の除去及び歯周ポケット底部の殺菌を目的として使用される薬剤併用超音波歯周用スケーラ |
ブルーラジカル治療は何回くらい必要ですか?
照射は基本1回です。その後、歯周ポケットの深さや歯ぐきの状態を検査して経過を確認し、効果が不十分な場合は再度の照射や別の治療を検討します。まずは検査の結果をもとに一緒に治療計画を立てましょう。
治療は痛みを伴いますか?また麻酔は必要でしょうか?
ブルーラジカル治療では局所麻酔を使用します。歯周ポケットの深い部位や炎症のある箇所を処置するため、痛みを感じないようしっかり麻酔を効かせてから行います。従来の外科手術のような切開は伴いません。治療後の痛みや違和感がまれに生じることがありますが、多くは一時的です。
治療後に歯ぐきや歯に変化が見られることはありますか?
治療直後に歯ぐきが白く変色することがありますが、通常は数日以内に元に戻ります。また、歯ぐきの炎症が改善すると腫れていた歯ぐきが引き締まり、一時的に歯が長く見えたり、しみやすくなることがあります。
治療後に日常生活で注意すべきことはありますか?
治療当日から普段通りの生活が可能です。ただし、治療直後は歯ぐきがデリケートな状態ですので、やわらかめの歯ブラシで丁寧にケアしてください。刺激の強い食べ物や熱いものは当日は控えていただくと安心です。何より大切なのは、毎日のセルフケアを続けることです。
ブルーラジカルは歯周病の再発を防ぐことができますか?
歯周病は生活習慣病としての側面もあり、治療後のセルフケアと定期的なメンテナンスが再発予防の鍵になります。当院では治療後の経過観察とメンテナンスプログラムをご案内しています。
保険診療は適用されますか?自由診療の場合、費用はどのくらいかかりますか?
ブルーラジカル治療は自由診療(保険適用外)です。当院では1歯・照射1回あたり16,500円(税込)でご案内しています。同じ歯に再度照射する場合は、照射のたびに費用がかかります。なお、歯周病治療は医療費控除の対象になります。確定申告の際に領収書を保管しておいてください。
他の治療(例えばインプラントや矯正治療)と併用できますか?
併用できる場合があります。当院では患者さんの口腔内の状態を総合的に診て、ブルーラジカルを組み合わせるかどうかを判断しています。
治療後のメンテナンスや通院頻度はどのくらい必要ですか?
治療後は3ヶ月に1回の定期メンテナンスをおすすめしています。メンテナンス時に歯周ポケットの深さや歯ぐきの状態を確認し、必要に応じてブルーラジカルの追加施術をご提案することもあります。継続的なメンテナンスが、治療効果を長く維持するために最も重要です。
「歯周病と言われたけれど、手術は怖い」そのようなお気持ちをお持ちの方に、ブルーラジカルは新しい選択肢のひとつとなるかもしれません。
切開をせずに歯周ポケット底部の殺菌を行うこの治療は、すべての症例に適応できるわけではありませんが、適切な診断のうえで検討できる治療の選択肢の一つです。
まずは歯周病の状態をしっかり確認することが大切です。当院では、ブルーラジカルを含めた歯周病治療全般について、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせてご提案しています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。