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60代のインプラント寿命は?20年持たせる3つの秘訣と費用対効果
「60代でインプラントにするのは、遅すぎるでしょうか?」
「高い費用をかけて、すぐにダメになったら老後資金が無駄になるのでは?」
診察室で、このような相談をよく受けます。正直なところ、決して安い買い物ではありませんから、迷うのは当然です。
しかし、人生100年時代と言われる今、60代はまだ折り返し地点を過ぎたばかりです。残りの30年、40年を「何でも噛める喜び」と共に過ごすことは、単なる贅沢ではなく、健康寿命を延ばすための「身体への投資」と言えるのではないでしょうか。
この記事では、データに基づくインプラントの平均寿命と、それを20年以上持たせるための具体的な秘訣、そして長期的な費用対効果について、歯科医師の視点から包み隠さずお話しします。
60代が入れるインプラントの平均寿命とは?
「インプラントは一生持ちますか?」という問いに対し、当院では感覚的な話ではなく、世界的な学術データに基づいてお答えしています。
代表的なシステマティックレビューによると、インプラントの10年生存率は全体で約96.4%と報告されています[1]。これは、100本中96本以上が、10年後も問題なく機能していることを意味します。入れ歯(平均3〜5年)やブリッジ(平均7〜8年)と比較しても、圧倒的な耐久性です。
「では、20年後はどうでしょうか?」
日本口腔インプラント学会誌に掲載された調査(20年以上経過した患者509名対象)によると、治療から20年が経過しても93%の患者様が「治療に満足している」と回答しています。また、84%の方が「何でもよく噛める」状態を維持しており、超長期的に見ても生活の質(QOL)を支え続けていることが実証されています[4]。
部位によって寿命は変わる?
実は、インプラントを入れる場所によって、成功率にわずかな差があります。
| 部位 | 10年生存率 | 理由 |
|---|---|---|
| 下顎(下の歯) | 97.2% | 骨が硬く、インプラントが強固に固定されやすいため[1]。 |
| 上顎(上の歯) | 95.6% | 骨が柔らかく、上顎洞(空洞)があるため、高度な技術が必要[1]。 |
このように、上顎の方がわずかにリスクが高い傾向にあります。だからこそ、当院ではCT撮影による「骨密度の診断」を徹底し、骨が柔らかい場合は結合期間を長めに取るなど、慎重な治療計画を立てています。
寿命を縮める「リスクファクター」の真実
せっかくの投資を無駄にしないために、知っておくべき3つのリスクがあります。
- 喫煙習慣(早期失敗の最大要因)
最新の研究(2025年)でも、喫煙はインプラントが早期に抜け落ちる「独立した危険因子」であると断定されています。930本を調査したデータでは、特に男性や上顎への手術において、タバコが治癒を阻害することが確認されています[3]。血流が悪くなり、骨とインプラントが結合しないためです[2]。 - インプラント周囲炎(歯周病)
天然の歯と同じように、インプラントも歯周病菌に感染します。神経がないため自覚症状が出にくく、気づいた時には進行していることが多いため、最も注意が必要です。 - 噛み合わせの変化
加齢とともに、残っている天然歯がすり減ったり、顎の位置が微妙に変化したりします。インプラントは動かないため、定期検診での調整が必須です。
インプラント vs 入れ歯 vs ブリッジ(徹底比較)
60代の方が選択に迷われる3つの治療法を、客観的なスペックで比較しました。
| 項目 | インプラント | 入れ歯(保険) | ブリッジ |
|---|---|---|---|
| 平均寿命 | 10〜15年以上 | 3〜5年 | 7〜8年 |
| 噛む力 | 天然歯の80〜90% | 天然歯の30〜40% | 天然歯の60% |
| 違和感 | ほとんどなし | あり(異物感) | ややあり |
| 隣の歯 | 削らない(独立) | バネをかける歯に負担 | 大きく削る |
| 手術 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 費用 | 40〜50万円/本 | 数千円〜 | 8〜30万円程度 |
インプラントは「他の健康な歯を犠牲にしない」唯一の治療法です。ブリッジや入れ歯は、支えとなる歯に負担をかけるため、結果として「ドミノ倒し」のように歯を失う原因になることがあります。
80歳まで快適に使うためのメンテナンス
インプラントを長持ちさせる秘訣は、ご自宅での歯磨きだけでは不十分です。歯科医院での専門的なメンテナンス(SPT)が不可欠です。
- 専用器具によるクリーニング: 歯ブラシでは届かない歯茎の中の汚れを除去します。
- 噛み合わせの調整: 加齢による変化に合わせて、ミクロン単位で高さを調整します。
- レントゲン確認: 骨の状態を定期的にチェックし、トラブルを未然に防ぎます。
【院長の診療メモ】「私の人生、もう終わりだと思ってた」
60代の女性患者様が、診察台で「先生、私もう年だし、美味しいものは諦めてお粥でいいわ」と寂しそうに話をされました。
詳しくお話を聞くと、合わない入れ歯のせいで、大好きだった漬物も、お孫さんとの外食も避けるようになっていたそうです。「口元を見られるのが恥ずかしいから」と、マスクを外すのも抵抗がおありでした。
インプラントの話をした時、最初は「そんな贅沢、バチが当たります」と断られました。
そこで私は、医学的な話ではなく、将来どのような生活をしたいかについて一緒に考えたうえで、最終的にこのように考えられました。
「これからの20年を、誰にも遠慮せず笑って過ごしたい。一緒に美味しく食事もしたい、健康的な生活がしたい」と。そのためにインプラントをする決断をされました。手術の日、少し怖がっておられましたが、担当のスタッフと会うとその不安も少し落ち着かれてました。
半年後、メンテナンスに来られた時に
「先生、昨日ね、たくあんを『ボリッ』て噛めたの。あの音が聞きたかったのよ」あの時の笑顔を見ると、歯科医師をやっていて本当に良かったと思います。私は、患者さまの将来どうしていきたいか。そこの部分を一緒に考えて治療計画を考えてます。年齢で諦める必要なんて、どこにもないんです。
広川歯科医院 院長 廣川雅之
当院のインプラント治療について(費用・リスク)
広川歯科医院では、安全性と予知性の高いインプラント治療を提供しています。
治療内容
チタン製インプラント体の埋入手術、アバットメントおよび上部構造(人工歯)の装着
標準費用(税込)
1本あたり:440,000円 〜 550,000円
※CT診断料、手術料、インプラント本体、標準的な上部構造を含む総額。
※費用に幅があるのは骨の量が不足しており骨造成が必要な場合があるからです。
標準治療期間・回数
- 期間: 4ヶ月 〜 6ヶ月
- 通院回数: 6回 〜 10回程度
主なリスク・副作用
- 術後に腫れ、痛み、内出血が起こる場合があります。
- メンテナンス不足により、インプラント周囲炎になる可能性があります。
- 下歯槽神経の損傷による感覚麻痺のリスク(CT診断で回避に努めます)。
歯科医師歴20年以上。予防歯科、歯周病治療、インプラント治療、噛み合わせの治療を専門とし、「全身の健康は健口から」を理念に、関わる全ての人の健康をサポートする歯科医院として地域医療に勤しんでいます。
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お問い合わせ・ご予約
インプラント治療に関するご相談は、以下の窓口で承っております。
電話番号: 0798-52-9580
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アクセス: 阪急今津線「門戸厄神駅」徒歩30秒
参考文献
- Simonis P, et al. (2010). Long-term implant survival and success: a 10-16-year follow-up of non-submerged dental implants. Clinical Oral Implants Research.
- Strietzel FP, et al. (2007). Smoking as a risk factor for dental implant failure.
- Guarnieri R, et al. (2025). Smoking as a Risk Factor for Early Implant Failure: A Retrospective Evaluation of 930 Implants. J Clin Med.
- 森永太, 伊東隆利, 他 (2018). 20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査. 日本口腔インプラント学会誌, 31(2), 170-179.
- 日本口腔インプラント学会「インプラント治療とは」
- 厚生労働省「歯科インプラント治療指針」
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