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歯科金属アレルギーの症状・検査|銀歯・手足の水疱との関係|西宮市
その手や足の水疱・全身のかゆみ、銀歯(歯科金属)が関係している可能性は?
「原因のわからない手のひらや足の裏の水疱」「全身のかゆみが続く」——こうした症状を調べるうちに、「口の中の銀歯(歯科金属)が関係しているのでは」とたどり着く方が増えています。
最初に、いちばん大切なことをお伝えします。歯科の側から見ると、順番があります。
- まず、禁煙と「歯の中の隠れた炎症」から。 手足に膿疱ができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)では、学会の手引きが最初に置いているのがここです。
- それでも改善しないときに、金属を考える。 金属の関与は否定できませんが、根拠の強さは1段落ちます。
- 原因の金属がはっきりしたら、金属を使わない素材へ。 ここが歯科の出番です。
診断そのものは皮膚科で行います。私たち歯科医院が「あなたは金属アレルギーです」と断定することはできません。
このページでは、煽らず・越権せず・選択肢を全部お見せする方針で、症状・原因・検査をこの順にまとめます。西宮市・門戸厄神駅すぐの門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科(旧・広川歯科医院/院長 廣川雅之)が、日本皮膚科学会の手引き・ガイドラインにもとづいて解説します。
銀歯を白い歯に替えるかどうか(歯の将来・素材の違い)は「銀歯(金パラ)と白い歯、歯の将来はどう違う?」、入れ替えの費用・流れ・リスクは「メタルフリーの費用・流れ・リスク」で解説しています。
🦷 まず大切なこと
掌蹠膿疱症では、歯科にできることは金属を外すことだけではありません。学会の手引きが先に挙げているのは、禁煙と、自覚症状のない歯の炎症(根の先・歯ぐき・親知らず)を治すこと。金属はその次の段階です。
どんな症状が出る?(手足の水疱・全身のかゆみ・湿疹・掌蹠膿疱症)
歯科金属アレルギーとの関連が話題になる症状には、次のようなものがあります。
- 手のひら・足の裏にできる水疱や膿疱(掌蹠膿疱症)
- 全身のかゆみ、湿疹、皮膚炎
- 口内炎、口の粘膜の炎症、舌の違和感
これらの症状は金属アレルギー以外の原因でも起こります。 自己判断で「銀歯のせいだ」と決めつけず、まずは皮膚科で診てもらうことが回り道に見えて確実です。
🌱 ひとりで抱えなくて大丈夫です
「この不調、もしかして銀歯のせい?」と検索してたどり着いた方へ。不安なまま自分で結論を出さなくても大丈夫です。まずは皮膚科で、ほかの原因も含めて診てもらう——回り道に見えて、いちばん近い道だと思います。
①まず、禁煙と「歯の中の隠れた炎症」から
手のひらや足の裏に膿疱ができる掌蹠膿疱症について、日本皮膚科学会の『掌蹠膿疱症診療の手引き2022』は、発症や悪化に関わる要因として病巣感染と喫煙習慣を挙げ、「これらの治療が治療の主軸を成す」としています。
病巣感染とは、扁桃や歯、鼻など体のどこかにある慢性的な感染・炎症が引き金になって、離れた部位に症状を起こす状態です。原因となる病巣は歯性病巣と扁桃が最も多く、副鼻腔炎、上咽頭炎と続きます。
歯性病巣は3種類。どれも自覚症状がないことが多い
手引きが挙げる歯性病巣は、次の3つです。
- 根尖病巣(歯の根の先の炎症=根尖性歯周炎)
- 歯槽骨が溶けはじめた中等症以上の歯周炎(辺縁性歯周炎、いわゆる歯槽膿漏)
- 智歯周囲炎(親知らずのまわりの炎症)
そして手引きは、この3つはいずれも無症状のことが多いと書いています。痛くないから気づかない。ここが、歯科でわざわざ探す価値がある理由です。
臨床研究では、掌蹠膿疱症の患者さんの8割以上に歯性病巣が見つかり、6割以上で歯科治療により皮膚症状の改善がみられたと報告されています。
禁煙と歯周病は、別々の話ではありません
手引きは、喫煙と歯周病を切り離して扱っていません。喫煙は歯周病のリスクファクターであり、喫煙者では口の中の細菌のバランス(口腔マイクロバイオーム)が変化することが知られています。掌蹠膿疱症の患者さんでも同じ変化が確認されており、手引きは「歯周病、喫煙が増悪因子であることの背景に、口腔マイクロバイオームの変化が関与している可能性」を指摘しています。
さらに、掌蹠膿疱症の患者さんでは IL-17 という炎症の物質が上がりますが、これは歯周病の患者さんでも上がります。手引きは、歯周病と喫煙が IL-17 を介して掌蹠膿疱症の発症に関わっている可能性を挙げています。
つまり、禁煙も歯周病治療も「口の中の炎症を鎮める」という同じ方向を向いた対策だということです。掌蹠膿疱症患者さんの62〜94.9%が喫煙者という報告もあり、手引きは禁煙指導を発症契機・悪化因子の除去の最初に置いています。
手引きが示す「効果の大きさ」の違い
表の数値は、いずれも学会の手引きが引用している研究報告で、当院の治療成績ではありません。 掌蹠膿疱症という病気全体についての報告であり、どなたにも同じ結果が出ることをお約束するものではありません。手引きが示す進め方は、①禁煙 ②歯性病巣が見つかれば歯科で治療 ③それでも改善しない場合に扁桃摘出や金属除去を検討、という順序です。
一次情報の出典:公益社団法人 日本皮膚科学会『掌蹠膿疱症診療の手引き2022』(日皮会誌132(9):2055-2113)第4章「病因・増悪因子」1.3 歯性病巣/CQ1-7(禁煙)/CQ2-1-1(歯性病巣感染治療・推奨度B)/CQ2-1-2(扁桃摘出術・推奨度B)/CQ2-6(歯科金属除去・推奨度C1)。あわせて同学会 皮膚科Q&A(掌蹠膿疱症 Q3・Q4)
歯の根の炎症や歯周病が気になる方は、症状別のお悩みハブ 症状・お悩みから探す もあわせてご覧ください。
②それでも改善しないとき、金属を考える
なぜ口の中の金属で、離れた場所に症状が出るのか
口の中の金属は、唾液という電解質にさらされ、長い年月のあいだにごく微量ずつ金属イオンとして溶け出すことがあります。溶け出した金属イオンが体内のたんぱく質と結びついて「異物」とみなされると、免疫が反応するアレルギーが起こりえます。
歯科金属で問題になりやすいのは、接触してすぐではなく1〜2日ほど遅れて反応が出る「遅延型(IV型・接触皮膚炎タイプ)」です。口の中だけでなく、手のひら・足の裏・全身の皮膚など、金属に触れていない離れた部位に症状が出ることがある点が、この型の特徴です。
アレルギーの原因として報告されることがある主な金属には、次のようなものがあります。
- ニッケル、コバルト、クロム
- パラジウム(保険の銀歯に使われる「金銀パラジウム合金」に含まれます)
- 金、スズ、水銀 など
どの金属に反応するかは人によって異なるため、「銀歯だから危険」と一律に言うことはできません。
エビデンスは強くありません。でも、否定もできません
ここは正直にお伝えしたいところです。
金属除去を支持する報告は、症例報告や少数例の記述研究が中心です。手引きの推奨度は C1(検討してもよい)、エビデンスレベルは IV。掌蹠膿疱症257例の検討では、パッチテスト陽性の歯科金属を除去した群と除去しなかった群で、効果に有意差は認められませんでした。金属除去のみで軽快した例は数%にすぎないという報告もあります。
一方で、関与がないと結論づけられているわけでもありません。 有意差が出なかったという報告は「効果がない」ことの証明とは別のもので、この領域には無作為化した比較試験がありません。金属を除去して症状が改善した症例は複数報告されており、ニッケルが陽性だった方についてはニッケルを含む歯科金属の除去や食品の制限が有効だったとの報告もあります。診療の現場でも、金属を気にされている患者さんに出会うことは実際にあります。
だから当院は、「銀歯を取れば治る」とも「金属は無関係」とも言いません。根拠の強い対策から順に試して、それでも残るときに金属を検討する——手引きが示すこの順序に沿って進めるのが、いまわかっていることに素直な進め方だと考えています。
パッチテストが陽性であっても、それがそのまま掌蹠膿疱症の原因とは言えません。手引きは「パッチテストの結果のみを根拠に歯科金属除去を行うべきではない」と明記しています。
検査は皮膚科のパッチテスト(48時間閉鎖貼布試験)で
原因の金属を調べる検査がパッチテストです。背中などの皮膚に、ニッケル・コバルト・クロム・パラジウム・水銀・金・スズといった金属の試薬を貼り、48時間後にはがして皮膚の反応を見ます。
判定は1回では終わりません。48時間、72〜96時間、そして1週間後にも判定します。金や水銀などは反応が4日以降に遅れて出ることがあるためです。数回の通院が必要になる検査だと考えておいてください。
ただし、手足や全身など「金属に触れていない場所」に症状が出るタイプ(全身型金属アレルギー)では、パッチテストは偽陽性・偽陰性が少なくありません。ガイドラインでも、まず行うスクリーニング検査と位置づけられており、最終的な判断は経過や他の検査とあわせて皮膚科の先生が行います。費用・所要日数・通院回数は医療機関によって異なるため、受診先の皮膚科にご確認ください。
一次情報の出典:日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』(日皮会誌130(4):523-567)判定時間・全身型金属アレルギーの診断(Q7)の項/掌蹠膿疱症診療の手引き2022 CQ2-6
③原因の金属がはっきりしたら、金属を使わない素材へ
歯科医院の役割は、金属アレルギーを診断することではありません。私たちができるのは、次の3つです。
- 自覚症状のない歯性病巣を探して治すこと。 根の先の炎症、中等症以上の歯周炎、親知らずのまわりの炎症——掌蹠膿疱症の手引きも、初診時に歯科へ検索を依頼する項目として挙げています。痛みがないことが多いため、レントゲンと歯周組織の検査で探します。
- 口の中にどの金属が使われているか(保険の金パラ合金か、アマルガムか等)を確認すること
- 皮膚科で原因金属が確定したあとに、その金属を使わない素材への置き換えをご提案・施術すること
歯科が単独で「金属アレルギーです」と断定することはしません。皮膚科と歯科で役割を分担し、連携して進めるのが適切な流れです。
この置き換え(メタルフリー補綴)は自由診療です。ご自身で判断していただけるよう、費用・内容・期間・リスクと問い合わせ先を記載します。
自由診療についての基本情報(医療広告ガイドラインに基づく限定解除)
- 費用(税込・1歯あたり):オールセラミック(前歯)¥121,000/セラミック(臼歯)¥104,500/ジルコニア ¥66,000/セレック ¥66,000〜¥104,500。神経を処置した歯で土台が必要な場合はファイバーコア ¥22,000。補綴部分の総額の目安は1歯あたり ¥66,000〜¥143,000。アマルガムを白い樹脂に詰め直す場合は ¥38,500 です。なお、むし歯や神経の状態によっては根管治療などの処置が別途必要になることがあります。この場合、保険が適用されるときは保険の窓口負担、自費で行うときはその金額を、着手前に書面でお見積りし、ご同意をいただいてから進めます。
- 治療内容:金属の除去 →(必要な場合は土台の製作)→ 金属を使わない被せ物・詰め物の装着。
- 標準的な治療期間・回数:院内製作が適応する場合は当日1回。型取り・技工が必要な場合は2〜3回・1〜3週間。神経の処置を伴う場合や複数歯では3〜6回以上・1〜2か月以上。
- 主なリスク・副作用:処置後に一時的にしみることがあります/被せ物のために健全な歯質を一部削ります/セラミックは破折・欠けが起こりえます/かみ合わせの調整や再製作が必要になることがあります/歯ぎしり・食いしばりやかみ合わせ、残っている歯質の量によっては、修復物の破折・脱離や、土台の歯・歯の根の破折が起こることがあります/状況によっては神経の処置(抜髄など)が必要になる場合があります/金属を除去しても、皮膚や全身の症状が改善するとは限りません。。
- お問い合わせ・ご予約先:門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科(院長 廣川雅之)/〒662-0825 兵庫県西宮市門戸荘17-50シャンベルタン女学院通り/電話 050-1784-7497(自動音声でご案内します。急なお痛みはそのままお繋ぎします/ご予約・ご相談はWEB予約・LINEが確実です)/ご予約・お問い合わせ
内訳・お支払い方法・医療費控除は「メタルフリーの費用・流れ・リスク」に詳しく記載しています。
📌 受診の目安
検査と診断は皮膚科です。歯科(当院)は、自覚症状のない歯の炎症(根の先・歯ぐき・親知らず)を探して治すこと、口の中のどの金属が使われているかの確認、確定後の置き換えを担当します。皮膚科の受診とあわせてご相談ください。
補足:古い銀歯「アマルガム」について
「アマルガム」は水銀を含む詰め物で、かつて虫歯の治療に広く使われました。現在は新たに使われることはほとんどありません。日本国内で歯科用アマルガムに使われた水銀は、1970年代の年約5.2トンから2010年には年0.02トンまで減っています。
国際的にも「水銀に関する水俣条約」のもとで削減が進み、2025年11月の第6回締約国会議(COP6)で、歯科用アマルガムを附属書A第1部に追加し、2034年までに製造・輸出入を廃止することが決まりました(患者の必要に応じた歯科医師の判断による例外あり。使用そのものの即時禁止ではありません)。
つまり、いま論点になるのは「これから詰めるかどうか」ではなく「過去に詰めた古いアマルガムをどうするか」です。なお、アマルガムに含まれるのは無機水銀で、水俣病の原因となった有機水銀(メチル水銀)とは性質が異なります。「銀歯=水俣病」ではありません。「銀歯は毒」「放置すると重病になる」といった表現は、不安をあおる不正確なものです。
一次情報の出典:環境省「水銀の利用に関すること」(歯科用アマルガムの水銀使用量の推移)/環境省 報道発表「水銀に関する水俣条約第6回締約国会議」の結果について(press_01704)。※COP6の例外規定の文言はCOP6決定およびFDI/UNEP発表による
よくあるご質問(FAQ)
Q. 銀歯を全部セラミックに変えれば、体の不調や全身のかゆみは治りますか? A. 「必ず治る」とは言えません。掌蹠膿疱症では、金属除去のみで軽快した例は数%にすぎないと報告されています。まず皮膚科で原因を確かめることが大切です。
Q. 金属アレルギーかどうかは歯医者で調べられますか? A. 検査と診断は皮膚科です。歯科は、口の中のどの金属が該当するかの確認と、確定後の置き換えのご提案を担当します。歯科単独で断定はいたしません。
Q. 銀歯を替える前に、歯科でやっておいた方がいいことはありますか? A. 掌蹠膿疱症の場合は、根の先の炎症・中等症以上の歯周炎・親知らずのまわりの炎症がないかを先に調べることが勧められています。いずれも自覚症状がないことが多く、レントゲンと歯ぐきの検査で見つかります。学会の手引きでも、金属除去より前の段階に置かれています。
Q. 禁煙は本当に関係しますか? A. 掌蹠膿疱症については、手引きが病巣感染と並べて喫煙習慣を挙げ、その治療が主軸になるとしています。喫煙は歯周病のリスクでもあるため、禁煙は口の中の炎症を抑えるうえでも同じ方向を向いた対策になります。
まとめ:煽らず、越権せず、選択肢を全部お見せします
- 手足の水疱や全身のかゆみと銀歯の関係が気になったら、まず皮膚科で原因を確かめましょう。
- 掌蹠膿疱症では、禁煙と、自覚症状のない歯の炎症(歯周病を含む)の治療が先に来ます。どちらも口の中の炎症を鎮めるという同じ方向の対策です。
- 金属の関与は否定できませんが、根拠は1段落ちます。順番を守って、残ったときに検討するのが、遠回りに見えて確かな進め方です。
- 皮膚科で確定診断が出た場合は、金属を使わない素材(メタルフリー)への置き換えという選択肢があります。費用・流れは「メタルフリーの費用・流れ・リスク」、銀歯と白い歯で歯の将来がどう変わるかは「銀歯(金パラ)と白い歯、歯の将来はどう違う?」をご覧ください。
当院は、皮膚科との役割分担を尊重し、事実にもとづいて選択肢をお示しすることを大切にしています。気になることは、皮膚科の受診とあわせてお気軽にご相談ください。
🦷 まずは、ご相談だけでも
金属アレルギーのご心配も、銀歯のことも、どうするか決める前の相談・カウンセリングだけでも歓迎です。
ご予約は24時間受付のWEB予約が確実です。「まず聞いてみたい」ときはLINE相談からどうぞ。お電話(050-1784-7497)は自動音声のご案内です(急なお痛みなどはそのままお繋ぎします)。
門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科|西宮市・門戸厄神駅 徒歩30秒|相談・カウンセリングだけでも歓迎です
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院長・歯科医師
Masayuki Hirokawa / DDS PhD
- 略歴
- 兵庫県西宮市出身。2003年大阪歯科大学歯学部卒業後、大阪大学大学院歯科補綴第一講座にて博士課程修了(歯学博士)。2011年より広川歯科医院院長に就任。
- 専門分野
- 補綴治療/インプラント/咬み合わせ治療/精密根管治療/予防歯科・歯周病治療/ブルーラジカル/メタルフリー治療/小児矯正・マウスピース矯正/口腔機能療法/訪問歯科診療
- 所属学会・グループ
- 日本歯科補綴学会/日本臨床歯周病学会/日本顎咬合学会/日本糖尿病協会(登録歯科医)/日本レーザー歯学会/POIC研究会/IAOMT-Asia ほか
- 診療方針
-
「治療を繰り返さない口をつくること」を診療の根本に、削らない・神経を残す・予防とメンテナンスを通じて患者さん一人ひとりの「健康でありたい」という想いを支えています。
※本記事は院長が内容確認を行っています。 - 患者様へのメッセージ
- 1978年の開院以来、門戸厄神駅前で地域のかかりつけ歯科として診療を続けています。「これでいいのかな」と感じたときが、一番良いタイミングです。一緒に考えましょう


