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歯医者の定期検診をやめたい。やめる前に確かめたいこと
「定期検診、そろそろやめたいな」と思って、この記事を開いてくださったのだと思います。やめる前に少し調べてみよう。そう思えたこと自体が、ご自分の通い方を見直す入口になります。
🦷 先に結論
続ける、間隔を変える、しばらく間をあける。どれが合うかは、今の歯ぐきの様子を診たうえで、やめたいと思った理由も伺いながら、歯科医師と一緒に決めます。「いまの歯ぐきの様子」と「何のために通っているか」を合わせて考えると、納得できる通い方が見つけやすくなります。歯を支える骨まで進んだ歯周病(歯周炎)の治療を終えた方は、落ち着いていても再発しやすいため、間をあけるときも次に診る時期を決めておきます。
定期検診をやめたいと思うのは、自然なことです
時間がかかる、痛くないのに通っている、毎回同じことをしている気がする。こうした気持ちが重なると、「もういいかな」と思えてきます。お手入れへのやる気も、時間がたつと薄れやすいものです。
決める前に、二つの理由を並べてみてください。通い始めたころの理由(歯ぐきの治療のあとに勧められた、歯石が気になった、など)と、いまやめたいと思う理由です。並べて伝えていただくと、通い始めた理由がいまどうなっているかを、歯ぐきの記録と合わせて確かめられます。
やめたい理由ごとに、見直せること
やめたい理由は、だいたい四つに分かれます。理由ごとに、見直せることが違います。
痛みの有無では歯ぐきの様子が分からないので、歯ぐきの検査では、出血の有無、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)の深さ、歯のぐらつきを調べます。
🌱 迷っていること自体が、大切な材料です
「やめたい」と「続けたほうがいいのかな」の両方があるから、いま調べているのだと思います。どちらの気持ちも、通い方を決めるための大事な手がかりです。
よくある誤解:「落ち着いた」は「元に戻った」とは限りません
歯科で「落ち着いていますね」と言われると、もう治ったように感じるかもしれません。けれど歯周病には、歯ぐきの炎症だけの段階(歯肉炎)と、歯を支える骨まで進んだ段階(歯周炎)があり、どちらだったかで「落ち着いた」の意味が変わります。
歯垢(しこう・歯の表面につく細菌のかたまり)による炎症が歯ぐきにとどまる歯肉炎なら、歯みがきの見直しと必要な歯石取りで、健康な歯ぐきに戻せます。歯周炎では、「落ち着いた」と判断できるときでも、減った骨や下がった歯ぐきが元どおりになったわけではありません。骨の再生を図る治療もありますが、失われた部分をすっかり元どおりにすることは、今の治療でも難しいのが実情です。どちらの段階だったかは、これまでの記録をもとに歯科医師からお伝えします。
落ち着いたあとも、見守り続ける理由
歯垢は取り除いてもまた付き、治療のあとも歯周ポケットが深いまま残ることがあります。だから歯周炎は再発しやすく、しかも再発や進行に、ご自分で気づくのは難しい病気です。日本歯周病学会の指針は、歯周炎の治療を受けた人には「生涯にわたる継続管理が不可欠」としています。アメリカとヨーロッパの歯周病の学会による国際会議の報告も同じ考えで、今は歯ぐきが健康な人も再発しやすい状態が続くため、注意深く見守る必要があるとしています。歯周炎の治療を受けた方にとって、定期検診は治療の続きです。
歯を長く残すために、知っておきたい歯周病の進み方
歯周病は、痛みが少ないまま進むことがあります。間があいているあいだに歯周炎が進むと、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が少しずつ減って、歯がぐらついたり噛みにくくなったりします。2018年に全国の歯科医院で行われた調査では、歯を抜く原因でいちばん多かったのは歯周病でした。
日本の31の歯科医院の記録を振り返った研究では、初診のときに骨が半分以上減った歯があった人を約10年たどり、3本以上の歯を失った人は、年1回以上・9年以上通い続けた人で2割あまり、途中で通わなくなった人などで5割あまりでした。通い続けた人はお手入れなどほかの点でも違っていたかもしれず、この差がすべて通院のおかげとは言い切れません。それでも、骨が大きく減ったことのある方ほど、間のあけ方を考える意味があります。
失った歯は、自然には生え直しません。補う治療で噛む力の回復は図れますが、たとえばインプラントには、自分の歯の根のまわりにある、噛む力をやわらげるクッションのしくみ(歯根膜)がありません。
年代ごとのお口の平均から、10年後・20年後を思い浮かべる
国の歯科疾患実態調査(2024年)から、年代ごとのお口の姿を表にしました。ご自分にいちばん近い年代の行を見つけたら、1行下は今の10歳上の人たち、2行下は20歳上の人たちの姿です。
▼ 1行下は、今の10歳上の人たち。2行下は、20歳上の人たちです
| 年代 | 自分の歯
(平均)
|
入れ歯・ブリッジなどを使う人 | 歯と歯ぐきのすき間が4mm以上ある人 |
|---|---|---|---|
| 30代前半
30〜34歳
|
28.1本
|
5.8%
|
27.2%
|
| 40代前半
40〜44歳
|
28.1本
|
13.0%
|
28.6%
|
| 50代前半
50〜54歳
|
27.4本
|
24.3%
|
44.4%
|
| 60代前半
60〜64歳
|
25.7本
|
43.2%
|
59.1%
|
| 70代前半
70〜74歳
|
21.3本
|
70.8%
|
58.0%
|
| 80代前半
80〜84歳
|
19.1本
|
79.4%
|
61.6%
|
この表は2024年時点の年代ごとの姿で、同じ人をたどったものではなく、あなたの将来を決めるものでもありません。80歳で自分の歯が20本以上ある人は約6割と推計され、25年前(1999年)は約15%でした。歯を守れている人は、長い目で見て増えています。あなたが今どのあたりにいるかは、歯の数と歯周ポケットの深さを調べれば分かります。
どんな毎日を続けたいかから、通い方を考える
通う理由は、歯ぐきのためだけではありません。好きな物を気にせず噛み続けたい。人と話すときに、口元を気にしたくない。旅行や外食を、歯の心配なしに楽しみたい。そうした毎日を続けるためにできるのは、今ある歯と、歯を支える骨を守り続けることです。定期検診は、そのための土台です。
あなたが10年後、20年後も変わらず続けていたいことは、何でしょうか。続けるか、間隔を変えるか、しばらく間をあけるか。考える出発点はそこです。
通う間隔は、歯ぐきの様子に合わせて変えられます
通う間隔は、全員同じではありません。歯ぐきの様子と、毎日のお手入れの様子を見て、短くしたり長くしたりします。歯周病の治療を受けていない方にも、症状がなくても年に1回は検診を、と日本臨床歯周病学会は勧めています。どのくらいが合うかは、お口を見てみないと分かりません。
歯周病の治療を終えた方の目安は1〜3か月ごとで、落ち着いてきたら3か月、6か月と空けていくこともあります。当院でも、中くらいから重い歯周病の治療を終えた方には、初めは1か月に1回、基本は3か月に1回、症状に応じて6か月に1回を目安に通っていただいています。糖尿病などの全身の病気や歯ぎしりがある方は、短い間隔で確かめたほうがよいことがあります。
📌 間隔を空けたいときの確かめ方
「3か月ごとは大変だから、半年にしたい」というご相談もお待ちしています。最後に診たときに歯ぐきが落ち着いていたかどうかを先に見ておくと、どこまで空けられるかを考えやすくなります。
続ける・間隔を変える・しばらく間をあける。どう決めるか
やめたいと思ったときの道は、三つに分かれます。どれが合うかはお口の中を診てみないと分からないので、歯ぐきの記録をお見せしながら、歯科医師の診断をもとに見通しをご説明し、ご事情や大事にしたいことを伺って、一緒に決めます。

しばらく間をあけるときに、決めておきたいこと
しばらく通うのが難しいときは、今の歯ぐきの状態を診たうえで、どのくらい間をあけられそうかと次に診る時期を、ご事情を伺いながら決めます。間をあける前に、次の三つを確かめておくと、また通い始めるときに役立ちます。
- 最後の検査の結果を聞いておく。 出血、歯周ポケットの深さ、歯のぐらつきがどうだったか。
- 次に診る時期の目安を決めておく。
- 気をつけたい変化を知っておく。 歯みがきで血が出る、歯ぐきが赤く腫れぼったい、口のにおいが気になる、噛みにくい。こうした変化が出たら、決めた時期より前でも来てください。
一度間をあけたあとも、いつからでも通えます。そのときのお口の様子を見て、通い方を決め直します。
予約の前に
受付や予約の画面で、次のように伝えていただくと、その日の内容を合わせやすくなります。
- 「定期検診をやめようか迷っています。歯ぐきの検査をして、通う間隔を相談したいです」
- 「前回から間があいています。今の歯ぐきの状態を診て、次をどうするか相談したいです」
言い出しにくいことも、そのまま聞いていただいて構いません。
- 「間があいてしまったのですが、大丈夫ですか」 はい。今の歯ぐきの様子を診て、そこから決め直します。また来ていただけたことが、次の出発点です。
- 「費用が心配です」 先にお尋ねください。歯ぐきの検査と、歯ぐきの病気の治療として行う歯石取りなどは、健康保険で進めます。
- 「時間がとれません」 予約のときにお伝えください。通う間隔と1回の内容を、歯ぐきの様子を診たうえでご相談します。
よくある質問
Q. 痛みがなくても、検診は必要ですか?
A. 歯ぐきの病気は、初めのうちほとんど痛みがありません。必要かどうかは、歯ぐきの様子を調べてから決めます。
Q. 間隔はどのくらいがいいですか?
A. 歯ぐきの様子と、毎日のお手入れの様子を見て、一人ずつ決めます。歯周病の治療を受けていない方も同じです。
Q. 一度やめたあと、また通えますか?
A. はい、いつからでも通えます。そのときのお口の様子を見て、通う間隔を決めます。
Q. 1回の通院はどのくらいかかりますか?
A. 歯石取りなどを受ける日は、初回は検査を中心に約60分、2回目以降は40〜50分が目安です。
🦷 通い方を、一緒に考えます
いまの歯ぐきの様子を確かめて、あなたに合う通い方を、ご事情も伺いながら一緒に決めます。
ご予約は24時間受付のWEB予約が確実です。ご質問や操作にお困りのときはLINE相談へどうぞ。ご家族の方が代わりにご予約いただくこともできます。
お電話(050-1784-7497)は自動音声のご案内のみで、電話でのご予約は承っておりません。
門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科|西宮市・門戸厄神駅 徒歩1分
※この記事は一般的な情報です。お口の状態には個人差がありますので、実際の判断は診察のうえでご案内します。
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出典
- 日本歯周病学会「歯周治療のガイドライン2022」(2022年)p.18・20・26・80・81・84・85 https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_2022.pdf
- 日本臨床歯周病学会「歯周病とは?」(国民の皆様へ) https://www.jacp.net/perio/about/
- 日本臨床歯周病学会「歯のメインテナンス」(国民の皆様へ) https://www.jacp.net/perio/mainte/
- 日本臨床歯周病学会「Q&A」(国民の皆様へ) https://www.jacp.net/perio/qa/
- 厚生労働省「令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要」(令和7年12月 修正版)表14・15・17・19・8020達成者 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-17b_r06.pdf
- 8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査 報告書」(2018年) https://www.8020zaidan.or.jp/pdf/document-tooth-extraction-investigation-2nd.pdf
- 上條英之ほか「長期の歯のメインテナンス治療による歯の喪失状況について」日本ヘルスケア歯科学会誌 19(1):17-23(2018年) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhcda/19/1/19_17/_article/-char/ja
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020 インプラントと自分の歯(天然歯)の違いは?」 https://www.jda.or.jp/park/lose/index19.html
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020 歯周病の進行とその種類」 https://www.jda.or.jp/park/trouble/index_02.html
- Chapple ILC, et al. Periodontal health and gingival diseases and conditions on an intact and a reduced periodontium: Consensus report of workgroup 1 of the 2017 World Workshop(米国歯周病学会・欧州歯周病連盟 共催). J Clin Periodontol. 2018;45 Suppl 20:S68-S77. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29926499/
- 門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科「歯周病治療」ページ(/periodontal)
- 門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科「西宮で歯のクリーニング」(/7039)・「歯石取りは意味がない?」(/7305)

院長・歯科医師
Masayuki Hirokawa / DDS PhD
- 略歴
- 兵庫県西宮市出身。2003年大阪歯科大学歯学部卒業後、大阪大学大学院歯科補綴第一講座にて博士課程修了(歯学博士)。2011年より広川歯科医院(現・門戸厄神ひろかわファミリー歯科・矯正歯科)院長に就任。
- 専門分野
- 補綴治療/インプラント/咬み合わせ治療/精密根管治療/予防歯科・歯周病治療/ブルーラジカル/メタルフリー治療/小児矯正・マウスピース矯正/口腔機能療法/訪問歯科診療
- 所属学会・グループ
- 日本歯科補綴学会/日本臨床歯周病学会/日本顎咬合学会/日本糖尿病協会(登録歯科医)/日本レーザー歯学会 ほか
- 診療方針
-
「治療を繰り返さない口をつくること」を診療の根本に、削らない・神経を残す・予防とメンテナンスを通じて患者さん一人ひとりの「健康でありたい」という想いを支えています。
※本記事は院長が内容確認を行っています。 - 患者様へのメッセージ
- 1978年の開院以来、門戸厄神駅前で地域のかかりつけ歯科として診療を続けています。「これでいいのかな」と感じたときが、一番良いタイミングです。一緒に考えましょう


